里山レザーisatoの革小物は、
野生の生き物からもらった革を素材としています。
滋賀県の里山から、暮らしの革小物をお届けします。
里山は、人の暮らしのすぐそばに野生動物が息づいている場所です。
そこで育まれた革を、”里山レザー”と呼ぶことにしました。
製作者自身が猟師と一緒に山に入り
生毛皮の洗浄・下処理を行います。
革の仕上げは、確かな技術をもつ専門の工場で。
朽ちた葉など、植物由来の成分を使った仕上げのため、
人の肌にも環境にもやさしい素材に仕上がります。
牛や馬より体が小さい鹿は、薄く柔らかい皮を持っています。
革に仕上げると、手触りはなめらかで質量は軽く
持ち歩きやすくて手になじむ、魅力ある素材です。
仕上がった革にはじめてふれた時から
自分の住んでいる里山が
こんなに素敵な素材を育んだことが誇らしくて
一度ふれてみてほしいと思っています。
画面越しではありますが、ぜひゆっくりご覧ください。
【里山レザーに込めた想い】
"里山"は、野生動物の縄張りと人里との間にある緩衝地帯です。
今生きている私たちのおじいさんやひいおじいさんの時代には、
枝うち、芝刈り、山菜取りなどに
定期的に踏み入る人の気配があり、
動物たちも頻繁には里へ来なかったようです。
里山は、動物と人里を緩やかに隔てていました。
近頃、里山に降りてくる鹿が増えました。
山と里の隔たりが薄れ、田畑にも姿を見せています。
作物を”獣害”から守るため、
市や町から依頼された猟師が鹿を捕まえます。
捕まえるけれど、なかなか活かせません。
肉や皮を活用するには人手が足りないのです。
捕まえた鹿のほとんどを埋めたり燃やしたりします。
身近な猟師の一人が、
「捕まえただけで活かさず捨てるのは、鹿に申し訳ない。」
と話していました。
山の中で命をまっとうした生き物のからだは
他の動植物に活かしきられています。
毛は鳥たちの巣になり
肉は大小の動物や虫のお腹におさまり、
染み出した血液は土を豊かにします。
ゴミとして扱われるものはひとつもなく、
余すことなく活用されています。
人も、同じ里山で暮らす動物です。
いただいた命を活かし切りたいと思うのは
自然なことだと思いました。
地域の猟師の協力をうけ、
鹿の革を活かして暮らしの道具を作ることにしました。
獣害対策はいつか終わる施策です。
野生動物を捕まえないで済むなら、その方がいいと思います。
その時がきたら、里山レザーisatoの革小物づくりも
一緒に終わります。
私は、里山が好きです。
自分の目で見渡せる範囲の中で資源が循環していること。
いろいろな生き物が当たり前に暮らしていること。
そのすぐそばで、現代人の私が、快適に暮らせること。
気持ちの良い暮らしのバランスを探し続けられること。
もしかしたら、あなたも里山が気に入るかもしれません。
里山からもらった革で作るisatoの革小物が、
そのきっかけになれたら嬉しく思います。
【なめし加工について】
isatoの革小物は、野生のケモノからもらった皮を"ラセッテーなめし"で仕上げたもの。
ラセッテーなめしとは、ミモザアカシアの樹皮を主成分とする、環境に優しいなめし加工です。
▼詳しくはこちら
https://isato.theshop.jp/blog/2021/02/15/173337